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第11回「ワールドドーム建造」
連載も、そろそろ終わりである。ああ、絢爛時代の白眉ともいうべき最低接触戦争にも光国参戦からはじまる汎銀河大戦にも触れることもなく連載終了と言うのは残念である。
(いざ書いてみると原典である設定の量が多くて削っても削っても紹介しきれんのである)

終わる前に、一つ書いておこうと思うことがある。第一回で無期限に延長されたテラフォーミング計画が復活したことである。

2149年、火星の低重力が貴重な水資源を宇宙に逃がしてしまうのをやめさせよう&火星を第二のアメリカ大陸にという掛け声の下、ワールドドーム建設が始まる。

歴史年表を見るとこれだけしか書いてないが、歴史という者は年表だけ見たってドラマなんか分からんのである。

ここから先は、ドラマの話をしよう。

21世紀の最初のほうで小遣いが足りないからといって諦めていた宇宙少年の夢は、22世紀も半ばになってようやく復活した。当時に生きて、実際それが始まる日を見ていた知類なんか一個もなかったが、夢だけは受け継がれていたのである。
実際そっちのほうが生きるだ死ぬだのよりは、よほど重要なのかもしれない。

BALLSという小さく丸い偉大な友の助力を得て、未来の宇宙少年達は夢を叶えることにした。もちろん、造物主になりかわろうなどと大層なことを思ったわけではない。

住む家をもう一軒、増やしたかったのである。

こうして、知類は何十かのBALLSに、その任務を任じることになった。
火星全体を丸々包む、巨大なドーム。ワールドドームの建造開始である。

そんな巨大なものを作るとして、材料をどうするのか。
その最初の一歩となるものは、丁度火星の近くに浮かんでいた。
フォボスとダイモスである。
フォボスの直径は22kmしかないので3ヶ月ほどで資源化されてしまった。
ダイモスにいたってはもっと小さいのであっと言うまであった。

ともあれこの二つが資源化されて今に続く火星軌道都市の基本形になった。

続いて資源化されたのは火星と木星の間の小惑星帯(アステロイドベルト)である。
無数とも言えるこの小惑星達が、どんどんBALLSの手で資源化され、火星に回されていった。
他方では小惑星帯では新たな都市船が作られ、日本月に赴き、知類を満載して火星へ向かいだした。その数は、最終的に24になる。

都市船は火星の海に降下して次々と着水した。
絢爛舞踏祭で、今見る火星の形は、こうして少しずつ形づくられていく。

2252年現在、ワールドドームの建設の進捗率は70%を超えている。
言い方を変えれば、まだ、宇宙少年の夢は23世紀半ばでも完成していなかった。
それがいいことか悪いことかは分からない。
一つだけ分かるのは、それが大きな夢であったことである。

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