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第12回「ひとまずのむすび」
最終回は、あるかどうかも分からないが新連載の予告もかねてちょっと毛色の変わった、話でもしよう。

今回は、みんな大好き猫娘、ではなく火星先住民の話である。
火星でこの先住民が発見された時に、大きな騒ぎにならなかったが、21世紀初頭のコラムとしては丁度いい話題なので紹介しようと思う次第である。

火星先住民。この風変わりな知類は赤焼けた肌と緑っぽい髪をしている以外は外見は人間と余り変わらない。

中身は、ずいぶん違う。 酸素が薄くてもなんとか生きていけるし、そもそも生まれてきたときは卵で生まれる。
そこいらの奥さんが、う、うまれるーとか言ってトイレに入り、数分で一抱えの硬い殻の卵をもって現れたら、なかなか、ショッキングであろう。彼らはそういう存在である。

子供がかえる前の卵には、願いをこめていろんな絵を描く風習がある。
友人に、卵に絵を描いて欲しいといわれたら、どんなに絵心がなくても断ってはいけない。
それは彼らの、最大の友情表現である。

好かれる図柄は彼らの始祖、グレートワイズマンが101の魚と泳ぐ絵柄である。
都市船の幼稚園にいくと、多くの子はこれを描く。

種族的特長として、性別は、コロコロ変わる。大体において恋した相手の性別に合わせて変わる。
彼らにとって好きになったら性別的には負けである。どっちが先に惚れたのかはっきり分かってしまうし、ついでに半分の確率で浮気がばれる。

彼らと仲良くなったりすると
「お前たちは性別がかわらないが、好きになった奴が同性だったらどうするんだ?」
と奇麗な瞳を向けて真剣に言われるだろう。
彼らにとってはこの問題はかなり重要で興味深いもののようである。
(それに対する色々な地球人の反論もあるが、少々下品なので彼らの名誉のために、このコラムではかかないことにする)

同様の話として、地球人が彼らの一人と仲良くしていたら急に性別が変わった姿で現れて、ずるい、といわれる話がある。

彼(もう彼女だが)の言い分を聞くと、好きになったのは多分お前のほうが先だ、だから本来はお前が変わるべきだ。だからずるい。と言う。

彼らはもっとも基本的なところで嘘がばれやすいため、無益をさとってか、本質的に正直で素直、朴訥である。彼らは嘘についてなんら価値を認めていない。

彼らはすぐ数が増えて財産(資源)をどんどん分割してしまうため、とても貧しい。
彼らに対して、親切心で産児制限を教えようと努力をしたり、初期には男女別々に隔離した例もあったが、翌日には完全に失敗した。
今は狭い区画をすごい人数で占拠して生活している。

彼らの出自については……と書こうというところで、紙幅がつきた。
続きがあれば、また会おう。(もちろん要望があればかかれるのは言うまでもない)

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